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2012.10.11
おはようございます!
今日は取得時効について。
昨日までは、時効期間の経過によって権利が消滅するお話をしていましたが、
逆に時効期間の経過によって権利を取得することもあります。
これを時効取得(取得時効)といいます。
たとえば、Aが土地をBから購入し、その土地を20年以上占有しているケースです。
実はAB間の売買契約は何らかの事情で無効だったことが判明した場合、
Aは土地の所有者ではなくなるのでしょうか。
通常、もとの売買契約が無効なのでAは土地の所有権を取得していないことになります。
つまり、Aは何の権限もなく土地を占有していることになります。
しかし、Aが20年以上自分の土地だと思って占有を続けていたという今回のケースでは、
AはBに対して時効取得を主張する(時効を援用する)ことで
購入時からこの土地の所有権を取得していたことになります。
時効取得の要件は以下の3つ!
① 所有の意思をもって占有
② 平穏かつ公然と占有
③ 時効期間の経過
取得時効の期間は、10年または20年です。
Aが土地の購入時に、自分が無権利者であることにつき
善意無過失(専門的な用語です(>_<))であれば10年、
善意無過失でなければ20年の占有で時効取得を主張できます。
消滅時効のときと同じように、時効期間の経過によって当然に権利を取得できる
というものではなく、時効の援用が必要です。
(時効の援用については昨日の記事を参照してください☆)
また、地代等を支払って土地を占有している場合には、
何年占有しても時効取得することはできないので注意してください!
地代等を払っているということは、
時効取得の要件である「所有の意思」が認められないからです。
泉司法書士事務所 立石和希子