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2016.8.16
家族信託コーディネーターの泉 喬生です。
今日は遺言について書いていきます。
【遺言とは】
遺言とは、自分が生涯をかけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、有効・有意義に活用してもらうために行う、遺言者の意思表示です。
遺言書がないために、相続を巡り親族間で争いの起こることが少なくありません。しかし、今まで仲の良かった者が、相続を巡って骨肉の争いを起こすことほど、悲しいことはありません。
遺言は、上記のような悲劇を防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
【遺言の方式の種類】
遺言の方式は、遺言者が事情に応じて利用できるよう、7つの方式を定めています。
・普通方式 ①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言
・特別方式 ④死亡の危急に迫った者の遺言
⑤船舶遭難者の遺言
⑥伝染病隔離者の遺言
⑦在船者の遺言
【遺言の方式について】
①自筆証書遺言とは、自分で手書きする遺言です。
自筆で遺言を書く場合は、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、押印しなければなりません。
遺言の内容を修正する場合は、修正した内容を明記し、そこに署名し訂正印を押さないと修正の効力が無くなります。
○メリット
・最も手軽に作成できる。
・費用がかからない。
・内容を誰にも知られない。
○デメリット
・様式不備で無効になることがある。
・偽造や紛失、盗難のおそれがある。
・死後に発見されないことがある。
・開封に家庭裁判所の検認手続きが必要。
②公正証書遺言とは、公証人が作成する最も安心な遺言です。
公正証書によって遺言を作るには、
1、証人2人以上の立会いがあること。
2、遺言者が遺言の内容を公証人に直接口頭で伝えること。
3、公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者と証人に読み聞かせるか、閲覧させること。
4、遺言者と証人が、筆記が正確なことを承認した後、各自これに署名し押印すること。
ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を書き加えて、署名に代えることができます。
○メリット
・公証人が作成するので、様式不備では無効になる心配がない。
・原本を公証役場で保管するので、偽造や紛失の心配がない。
・検認手続きが不要で、すぐに開封できる。
○デメリット
・公証人や証人に依頼する手間と費用がかかる。
・内容が証人に知られる。
③秘密証書遺言とは、遺言の内容を誰にも知られることなく作成できる遺言です。
秘密証書遺言によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
1、遺言者が、その証書に署名し押印すること。
2、遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
3、遺言者が、公証人1人と証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
4、公証人が、その証書を提出した日付と遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者と証人とともにこれに署名し、押印すること。
遺言の内容を修正する場合は、修正した内容を明記し、そこに署名し訂正印を押さないと修正の効力が無くなります。
○メリット
・遺言書の本文は代筆やワープロも可能。
・内容を誰にも知られない。
○デメリット
・様式不備で無効になることがある。
・公証人や証人に依頼する手間と費用がかかる。
・開封に家庭裁判所の検認手続きが必要。
・紛失の危険がある。
明日は、特別方式について書いていきます。