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一人で遺産分割協議ができるのか

2015.2.23

おはようございます!

絶好調です!怖いくらいに絶好調です!

司法書士の泉です。

 

月曜日ってなんでこんなにワクワクするのでしょうか。不思議ですよねー。

今週も予定は盛りだくさん!ありがとうございます!

きっちり自分をコントロールしていきたいと思います♪

1人で遺産分割協議ができるか

さて、本日は、「相続」のお話です。

テーマは「一人で遺産分割協議ができるのか」についてです。

 

どういうことかと申しますと…

「甲さんが亡くなって、乙さん(妻)と丙さん(子)が、甲さんの遺産(ここでは土地・建物)を相続したところ、『遺産分割協議』をする前に、乙さんが亡くなって、乙さんの遺産を丙さんが一人で相続した場合に、甲さんの遺産を直接、丙の名義にすることができるか。」

というお話です。

みなさんはどう思われますか。なんとも思わないですか。

そうですよね。よくわからないですよね。

でも続けます!

 

この事例について、平成26年に判決が出ました。(詳細はこちら⇒http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=84478)

【判示事項】

被相続人甲の遺産について遺産分割未了のまま他の相続人が死亡したから当該遺産全部を直接相続した旨を記載した遺産分割決定書と題する書面を添付してされた当該遺産に属する不動産にかかる相続を原因とする所有権移転登記申請に対し、登記官が登記原因照明情報の提供がないとしてした却下決定が適法とされた事例

【裁判要旨】

被相続人甲の相続人が乙及び丙の2人であり,被相続人甲の死亡に伴う第1次相続について遺産分割未了のまま乙が死亡し,乙の死亡に伴う第2次相続における相続人が丙のみである場合において,丙が被相続人甲の遺産全部を直接相続した旨を記載した遺産分割決定書と題する書面を添付してした当該遺産に属する不動産に係る第1次相続を原因とする所有権移転登記申請については,被相続人甲の遺産は,第1次相続の開始時において,丙及び乙に遺産共有の状態で帰属し,その後,第2次相続の開始時において,その全てが丙に帰属したというべきであり,上記遺産分割決定書によって丙が被相続人甲の遺産全部を直接相続したことを形式的に審査し得るものではないから,登記官が登記原因証明情報の提供がないとして不動産登記法25条9号に基づき上記申請を却下した決定は,適法である。

 

とのことです。

この判決、何回も読みました。

司法書士以外の方は、「なんのこっちゃ」と思われるかもしれませんが、司法書士としては、登記実務にとても影響がある判例です。

 

要は「遺産分割をしないまま第2相続が開始し、相続人が1人となった場合は、遺産分割決定を観念する余地がなく、実体法上の根拠がないといえるから、直接、甲から丙に『相続』という原因で所有権移転登記をすることができないですよ。」ということです。

 

つまり、今回の相続登記手続きは、

「甲の死亡を原因として、乙(2分の1)・丙(2分の1)が権利を取得するための所有権移転の相続登記を申請し、その後、乙の死亡を原因として、丙が残り2分の1の権利を取得するための乙持分全部移転の相続登記を申請する。」

ことになります。

 

私もかつて「一人遺産分割決定書」を添付して、直接相続登記を申請したことがあります。

また、今ちょうど同様の案件を抱えているので、気をつけないといけないですね。

 

今日は以上です。

さーて、今週も張り切っていきましょう!!

相続に関するお勉強が大好きな司法書士の泉でした♪♪

 

PS.昨日、ビジネスパートナーの峰下土地家屋調査士の紹介で「ラジオ大阪」という番組に出演させていただきました!

テーマは「家族のための信託」について、少しお話させていただきました。

初めてのラジオ出演、とても楽しかったです♪

峰下土地家屋調査士、ご紹介ありがとうございました!


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