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相続人の欠格事由と推定相続人の廃除について

2016.8.22

家族信託コーディネーターの泉 喬生です。

 

相続人の欠格事由と推定相続人の廃除について書いていきます。

 

【相続人の欠格事由】(民891条)

 

相続欠格とは、相続において特定の相続人につき、以下の規定される不正な①〜⑤いずれかの事由が認められる場合に、その者の相続権を失わせる制度です。

 

    故意に被相続人又は相続について先順位・同順位にある者を殺し、又は殺そうとして、

刑に処せられた者。

殺人の既遂だけでなく、未遂・予備も含むが、故意犯であることが必要。

過失致死、傷害致死は含まれない。

 

    被相続人が殺害されたことを知っていながら告訴・告発しなかった者

その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者・直系血族であったときは含まれない。

 

    詐欺・脅迫によって被相続人の遺言の作成・撤回・取消し・変更を妨げた者

 

    詐欺・脅迫により被相続人に相続に関する遺言をさせ、又はその撤回・取消・変更をさせた者

 

    相続関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者

相続人が被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、相続人は相続欠格者にあたらない。

 

【推定相続人の廃除について】(民982条)

 

推定相続人の廃除とは、遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して「虐待」をし、若しくは「重大な侮辱」を加えたとき、又は推定相続人に「その他の著しい非行」があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

  遺留分とは、民法で定められている一定の相続人(兄弟姉妹を除く)が最低限相続できる財産のことをいいます。

  虐待又は重大な侮辱は、被相続人に対し精神的な苦痛を与え又はその名誉を毀損する行為であって、それにより、被相続人と当該相続人との家族的共同生活関係が破壊され、その修復を著しく困難ならしめるもの(東京高決平4.12.11・家族百選54事件)

  侮辱は、情婦の下に走り、父の病が重いとの通知があっても戻らず見舞状すらよこさないのは侮辱にあたります。


最後まで読んで頂いてありがとうございました。




カテゴリー:相続,
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